頭を殴られたような衝撃に、一瞬呼吸をすることを忘れた。

浮かれて夢見心地になっていた頭はみるみるうちに冷めていく。

斗真さんは、本当は私と結婚するのが嫌なんだ。

やっぱり斗真さんは彼女とのお付き合いをまだ続けていて、二年後に私と別れたあとは、きっと彼女と結婚をする予定なんだ……

目が熱くなり、鼻の奥がツンとする。

滲みそうになる涙をぐっと堪え、無理やり作り笑いをしてみせた。

「……わかりました。二年間、よろしくお願いします」

なんとか声を絞り出し、頭を下げたら重力で涙が溢れた。

「もう一回他の部屋も見てきますねっ」

斗真さんに悟られないように、精一杯明るい声を出して逃げるようにリビングを駆け出た。