2年で離婚予定の妻ですが、旦那様が永久溺愛で逃がしてくれません

テキパキと着替えやヘアメイクを施され、気持ちが追いつかないまま、私は再び『新婦』姿になった。

「新郎様がお待ちかねですよ」

スタッフにエスコートしてもらい、広い廊下の突き当たりにある両開きの白いドアの前に立つ。

スタッフがそれを開けてくれると、光に一瞬目が眩んだ。

豪華なシャンデリアが白亜のチャペルのバージンロードを照らす。

大開口の窓の向こうには、澄んだエメラルドグリーンの海が見える。

そしてその手前に、斗真さんと、彼に抱っこされる愛菜の姿。

「瑞穂」

私をやさしく呼ぶその声に、すでにうるうるしながら、ゆっくりと斗真さんの元へ向かう。

シャンパンゴールドのタキシードにリボンタイと白いベスト。

妊娠中の挙式で着ていたブラックのタキシードも素敵だったけど、やっぱり斗真さんは何を着ても似合う。

斗真さんに抱っこされている愛菜は、ピンクのチュールドレス。小さなプルメリアの髪飾りを右耳の上につけている。

「かわいいねえ愛菜」

微笑みかけると愛菜は嬉しそうに私に手を伸ばし、

「んまんまー」

と抱っこをせがむ。

斗真さんから愛菜を受け取ると、彼は唐突に尋ねてくる。

「今日、何の日だか覚えてるか?」

「え?えーと、三月の……」

何日だったかな、と宙を見上げて考える。

日本との時差があるから余計に日付の感覚がない。