「ほかにも女がいるなんてひどいやつじゃないか。俺なら瑞穂ちゃんを幸せにできるのに」
声が出ず、ふるふると首を横に振って一歩後ずさった。
「俺は妻と別れたし、心置きなく瑞穂ちゃんと一緒になれるのに、そんなにあいつがいいの?」
私を見る坂本さんの目は据わっていて、静かながら怒りが感じられ、危機感が募っていく。
「俺のものにならないなら、いっそ一緒に死のう?」
坂本さんがポケットを探り、出てきたのはバタフライナイフだ。
振り上げられたそれが、太陽に反射してキラリと光った。
「やっ……」
「瑞穂!」
恐怖に目を瞑った時、斗真さんの大声が聞こえた。
目を開けると、振り下ろされかけたナイフを必死に止める斗真さんの背中がある。
「瑞穂!逃げろ!」
坂本さんの力は思いのほか強そうで、斗真さんが苦しげな声をあげる。
このままじゃ斗真さんが刺される。
「やだ……斗真さんっ!」
私の泣き叫ぶ声が空に響いた瞬間。
「斗真、よけて!」
ドスのきいた声が聞こえ、横から飛んできた足が坂本さんの体を打ち飛ばした。
こちらを振り返った斗真さんが私の体を包み、その後ろでナイフがくるくると宙に舞うのが見えた。
「いてっ!うわっやめろ!」
「瑞穂さんに手を出そうなんて百億年早えーんだよっ」
「うわああああっ!」
何が起こっているんだろう。
私の位置からは見えないけど、坂本さんが断末魔のような悲鳴を上げている。
声が出ず、ふるふると首を横に振って一歩後ずさった。
「俺は妻と別れたし、心置きなく瑞穂ちゃんと一緒になれるのに、そんなにあいつがいいの?」
私を見る坂本さんの目は据わっていて、静かながら怒りが感じられ、危機感が募っていく。
「俺のものにならないなら、いっそ一緒に死のう?」
坂本さんがポケットを探り、出てきたのはバタフライナイフだ。
振り上げられたそれが、太陽に反射してキラリと光った。
「やっ……」
「瑞穂!」
恐怖に目を瞑った時、斗真さんの大声が聞こえた。
目を開けると、振り下ろされかけたナイフを必死に止める斗真さんの背中がある。
「瑞穂!逃げろ!」
坂本さんの力は思いのほか強そうで、斗真さんが苦しげな声をあげる。
このままじゃ斗真さんが刺される。
「やだ……斗真さんっ!」
私の泣き叫ぶ声が空に響いた瞬間。
「斗真、よけて!」
ドスのきいた声が聞こえ、横から飛んできた足が坂本さんの体を打ち飛ばした。
こちらを振り返った斗真さんが私の体を包み、その後ろでナイフがくるくると宙に舞うのが見えた。
「いてっ!うわっやめろ!」
「瑞穂さんに手を出そうなんて百億年早えーんだよっ」
「うわああああっ!」
何が起こっているんだろう。
私の位置からは見えないけど、坂本さんが断末魔のような悲鳴を上げている。



