ふとお腹の赤ちゃんが苦しくないか心配になって、そっと斗真さんの胸を押し返した。

「瑞穂?」

「斗真さん、私……」

お腹に両手をあて、斗真さんを見上げる。

「お腹に斗真さんの赤ちゃんがいるんです」

「え」

突然の告白に、斗真さんの声が裏返る。

「今日病院に行ってそれがわかったんです。だから斗真さんが帰ってくるって聞いて、どう話したらいいのかわからなくて……」

「いつ生まれるんだ?男の子か?女の子か?」

矢継ぎ早の質問に、今度は私が「え」と声を裏返らせる。

「一応予定日は五月の初めで…性別はまだわからないですけど」

「そうか」

斗真さんは壊れ物に触れるように私のお腹にそっと手を当ててさする。

「瑞穂のお腹に、俺の子供がいるのか」

愛おしそうに目を細める斗真さん。彼のこんな顔は初めて見た。

喜んでくれているのが伝わってきて、私はまた感極まって目頭が熱くなる。