それを見たピーチパティは
ルキアスから離れると、誰にも見えないように
下を向いて恐ろしい顔でニヤリと笑った。

だが、次の瞬間リコットが

「リアム姉様、殿下をこちらに…」
平然を装いながらも
リアムの目を見て急かすと 

ルーシアが
「わたくしも手を貸すわ、兄上どうかされましたか?」とルキアスの元へ駆け寄ってくと
メイファンもそれに続いた。

リコットがスッと差し出した椅子まで
ルキアスを支え、座らせた。

リコットはルキアスに触れると
誰にも悟られないように
ルキアスを癒した。

すると、ルキアスの顔色はみるみると
元に戻っていった。

それを見てリコットは
この男爵令嬢が魅了使いで間違いないと
確信した。

兎にも角にも、ルキアスを守れて良かったと
ホッと軽く息を吐くと

ルキアスの耳元で

「ルキアス様そのままで
お願いします。そのまま何もせず
何も反応せずわたくしの肩に、、、」

と囁くと、ルキアスの顔が見えないように
自分の肩に乗せて抱き寄せた。