(凪ちゃん、メモを渡すだけで何も聞いてこなかった…。どこまで知ってるんだろう?泉くんから話を聞いて、私の事、軽い女って思ってたら最悪!)
凪からもらったメモを見つめ、泉に連絡をしなければと思うと午後は仕事が手につかなかった。
残業してもどうせ気が散って手につかないのだからと早めに帰宅をし、一人暮らし用の小さなキッチンでちょっと凝った料理を作って気分を紛らわしてみたがテンションは下がったままだった。
(やっぱり電話しなくちゃだめだよね…。)
食器の片付けも終わりお風呂にも入った。やらなくてはいけないことは全て終わらせたので、残すは泉へ連絡をするだけだった。
(電話して何を話せばいいの…。まず、迷惑かけてしまってごめんなさい??……いや、ここはお互い大人なのだから一夜の過ちということで、キレイさっぱりなかったことしましょう!でいいんじゃない?…泉くん、モテそうだったし、ああいうのは慣れっこなのかも。)
ベッドの上で正座をし、スマホに泉の電話番号を入力したまま、なかなか通話開始ボタンを押せないでいた。
頭の中で何度もシュミレーションをしてみても理想の会話が見えてこない。通話ボタンを押そうとしてはため息を付く。これを何度か繰り返しているうちにうっかり通話ボタンを触ってしまった。
『…もしもし?』
(あっ、かかっちゃった!!)
「あのぉ…。凪さんからメモをもらいまして…。」
『千夏さん?』
(うっ…。声が良すぎる。)
耳元で聞こえてくる良い声に鳥肌が立つ。
「…そうです。こっ、こないだはご迷惑をおかけしました!!!!」
(お詫びの言葉は伝えた!これで電話を切って終了にしたい!)
『…千夏さん、俺、死にそぉ…。』
「えっ?どういうこと??」
『腹減った。うちに来て何か作ってよ。』
「ご飯くらい自分で何とかしなよ。お風呂に入って今スッピンだから嫌。」
『今すぐ来てくれないなら、凪にあの夜の事バラすよ。』
どうやら、泉は凪にあの夜の事を話していないとわかると千夏はホッとした。
「それって脅迫ですか?」
『違うよ。千夏さんに今すぐ会うための口実。会いたいから来てよ。じゃないと千夏さんにヤリ逃げされたって凪に言うよ。』
「なっ…なんてことを!とりあえず、今から…向います…。」
愛しの凪ちゃんにネガティブなイメージを持たれたくない千夏はすぐに立ち上がった。
『うん、待ってる。』
そう言うと泉はすぐに電話を切ったのでスマホからは通話の終了を知らせる音がツーツーと聞こえてきた。
NAGIそっくりな声で『待ってる』と言われ、少しだけ嬉しくなった千夏は通話を終了させると急いでメイクをし直し、夕飯の残りを保冷バッグに詰めて泉の家に向かった。
(まったく…、声だけは良いんだから!)
凪からもらったメモを見つめ、泉に連絡をしなければと思うと午後は仕事が手につかなかった。
残業してもどうせ気が散って手につかないのだからと早めに帰宅をし、一人暮らし用の小さなキッチンでちょっと凝った料理を作って気分を紛らわしてみたがテンションは下がったままだった。
(やっぱり電話しなくちゃだめだよね…。)
食器の片付けも終わりお風呂にも入った。やらなくてはいけないことは全て終わらせたので、残すは泉へ連絡をするだけだった。
(電話して何を話せばいいの…。まず、迷惑かけてしまってごめんなさい??……いや、ここはお互い大人なのだから一夜の過ちということで、キレイさっぱりなかったことしましょう!でいいんじゃない?…泉くん、モテそうだったし、ああいうのは慣れっこなのかも。)
ベッドの上で正座をし、スマホに泉の電話番号を入力したまま、なかなか通話開始ボタンを押せないでいた。
頭の中で何度もシュミレーションをしてみても理想の会話が見えてこない。通話ボタンを押そうとしてはため息を付く。これを何度か繰り返しているうちにうっかり通話ボタンを触ってしまった。
『…もしもし?』
(あっ、かかっちゃった!!)
「あのぉ…。凪さんからメモをもらいまして…。」
『千夏さん?』
(うっ…。声が良すぎる。)
耳元で聞こえてくる良い声に鳥肌が立つ。
「…そうです。こっ、こないだはご迷惑をおかけしました!!!!」
(お詫びの言葉は伝えた!これで電話を切って終了にしたい!)
『…千夏さん、俺、死にそぉ…。』
「えっ?どういうこと??」
『腹減った。うちに来て何か作ってよ。』
「ご飯くらい自分で何とかしなよ。お風呂に入って今スッピンだから嫌。」
『今すぐ来てくれないなら、凪にあの夜の事バラすよ。』
どうやら、泉は凪にあの夜の事を話していないとわかると千夏はホッとした。
「それって脅迫ですか?」
『違うよ。千夏さんに今すぐ会うための口実。会いたいから来てよ。じゃないと千夏さんにヤリ逃げされたって凪に言うよ。』
「なっ…なんてことを!とりあえず、今から…向います…。」
愛しの凪ちゃんにネガティブなイメージを持たれたくない千夏はすぐに立ち上がった。
『うん、待ってる。』
そう言うと泉はすぐに電話を切ったのでスマホからは通話の終了を知らせる音がツーツーと聞こえてきた。
NAGIそっくりな声で『待ってる』と言われ、少しだけ嬉しくなった千夏は通話を終了させると急いでメイクをし直し、夕飯の残りを保冷バッグに詰めて泉の家に向かった。
(まったく…、声だけは良いんだから!)