NAGIの配信の翌日、いつも通り千夏は凪に配信の内容を語りにカフェに行った。泉とはあれっきりで1週間が経っていた。連絡をしようにも連絡先を知らないし、連絡をされても何も言わずに逃げ帰った千夏としては困ってしまうし、消してしまいたい過去だった。それでも凪とNAGIの配信については語り合いたい!その気持ちの強さだけでカフェむかった。凪も千夏が勧めているせいか時々配信を見ているようで配信の内容を知っている時もあった。
店に入るといつものカウンター席に座り、荷物ボックスにカバンを置いた。
「なーぎちゃーん!昨日の配信みたー?」
お冷を置きにきた凪にテンション全開で話しかける。しかし、どこか不機嫌なオーラが凪からは漂っていたが、酒に酔っていなくても楽観的でどちらかと鈍い性格の千夏には感じ取ることはできなかった。
「観ましたよ。新曲配信してましたね。」
「そ~なのよっ!めっちゃ良くなかった!?好きな人を想う切ない気持ちが歌詞とメロディから溢れてて最高!」
遠くで見つめるだけだった好きな人とやっと結ばれ、天国に昇る気持ちだったのにその女性が去ってしい、忘れらずに今も部屋の中でぬくもり探してる。というラブソングだった。ピアノの旋律と間奏のハーモニカがノスタルジックな雰囲気をだして切なさが増した。
「切ないですよね~。あの曲。」
どこか棒読みなアクセントで凪は言う。
「NAGI様にあんな風に想われてみたい!」
「想われてても千夏さんじゃ気づかなそぉ…。」
「そんなことないって!そしてわたしなら絶対にそばから離れない!」
二人の会話をカウンター越しに聞いていたオーナーが噴出して笑った。
「ぷっ。確かに千夏ちゃんは恋愛ごとには鈍そうだよね。」
「そうですかー?今は仕事命なんで彼氏いませんが私にだってそれなりに恋愛経験ありますよぉ。」
本当は高校生の時に勢いで付き合った彼氏依頼恋人はいないのだが、二人があまりに馬鹿にしたような目で見るので強がりを言っていみた。
「それは失礼。若いうちは沢山恋愛するのがいいよ。凪も早く彼女出来たらいいのになぁ〜…。」
「え?彼氏じゃなくて?」
「オーナー、変な誤解うむので変な間違いは止めてください。」
「おっと、そうだった。悪いわるい。」
ランチのサラダの支度をしながら『凪は弟の若い頃にそっくりだからつい間違える。』と話していたのと時々奈々ちゃんがオーナーの事を『叔父さん』と呼ぶことから、どうやら凪ちゃんとオーナーは叔父と姪の関係らしいことがわかった。
(…てことは、泉くんとも?)
この1週間、泉の事を忘れて、スパッとなかったことにしたくとも、今みたいにふとした瞬間に泉のことを思い出してしまうので、『意図的に頭から追い出す。』を繰り返していた。
(凪ちゃんは泉くんから私とのこと何か聞いてるのかなぁ…。)
千夏は凪にあの夜のことを泉から何か聞いていないか気になっていたが、『何で兄のことを知ってるの?』と問われたら、自分の口からあの失態を暴露しなければならないので聞かないでいた。
「お待たせしました。オムライスランチです。コーヒーゼリーサービスでホイップつけておきました。」
凪がトレイにオムライスと小鉢にサラダ、スープ、デザートのコーヒーゼリーをのせて運んできた。オムライスランチはこのカフェで1番のお勧めランチでコレで600円なのだ。ふわふわの卵の中にチキンライスが入っており、ケチャップではなくデミグラスソースがかかっているのでどこか高級感がある品だった。
「わー!ホイップ嬉しい♪凪ちゃんありがとう!」
スプーンを手にして食べ始めようとした時だった。
店のドアが開いて男性客が入ってきた。
「あ!市島先輩じゃないっすか!」
声をかけてきたのは、同じ部署の後輩の品川くんだった。よく言えば人懐っこい。悪く言えば馴れ馴れしい。そんな性格の彼なのだが韓国アイドルの様なビジュアルが味方してマイナスの印象を受ける人はいなかった。広報を担当する千夏の場所だが品川はいつも『営業に来ないか?』と飲み会のたびに誘われていた。残念ながら千夏はそんなふうに声をかけられたことは一度もなかった。
「品川くんがこのお店に来るなんて珍しいじゃない。」
「今日はオムライス食べたくなって、先輩がここのお店勧めてたの思い出して来てみました。もしかして先輩は1人ですか?なら、隣座っちゃおうかなー。」
「別に構わないわよ〜。あ、凪ちゃん、オムライスランチもうひとつお願い。」
「あの店員さん、『凪ちゃん』っていうですか?美人っすね。背も高くてモデルみたいだ!」
「品川くんもそう思う?凪ちゃんは女の私から見ても好きになっちゃいそうな美人なんだよねー!」
千夏と品川の会話を聞きオーナーは独りひっそり笑いを堪えていた。
「凪、褒められてるぞ。良かったな。」
「叔父さんうるさい。だまって。」
小声で交わされた2人の会話は千夏と品川には聞こえていない。凪は自分が褒められている事に嬉しくは思っていないようだった。
千夏は久々に品川とのランチで話が弾んでいたのだが、『兄からです。』と突然凪からメモを一枚渡され、それを見るなり青ざめた。
『連絡して。090-xxxx-xxxx 泉より』
店に入るといつものカウンター席に座り、荷物ボックスにカバンを置いた。
「なーぎちゃーん!昨日の配信みたー?」
お冷を置きにきた凪にテンション全開で話しかける。しかし、どこか不機嫌なオーラが凪からは漂っていたが、酒に酔っていなくても楽観的でどちらかと鈍い性格の千夏には感じ取ることはできなかった。
「観ましたよ。新曲配信してましたね。」
「そ~なのよっ!めっちゃ良くなかった!?好きな人を想う切ない気持ちが歌詞とメロディから溢れてて最高!」
遠くで見つめるだけだった好きな人とやっと結ばれ、天国に昇る気持ちだったのにその女性が去ってしい、忘れらずに今も部屋の中でぬくもり探してる。というラブソングだった。ピアノの旋律と間奏のハーモニカがノスタルジックな雰囲気をだして切なさが増した。
「切ないですよね~。あの曲。」
どこか棒読みなアクセントで凪は言う。
「NAGI様にあんな風に想われてみたい!」
「想われてても千夏さんじゃ気づかなそぉ…。」
「そんなことないって!そしてわたしなら絶対にそばから離れない!」
二人の会話をカウンター越しに聞いていたオーナーが噴出して笑った。
「ぷっ。確かに千夏ちゃんは恋愛ごとには鈍そうだよね。」
「そうですかー?今は仕事命なんで彼氏いませんが私にだってそれなりに恋愛経験ありますよぉ。」
本当は高校生の時に勢いで付き合った彼氏依頼恋人はいないのだが、二人があまりに馬鹿にしたような目で見るので強がりを言っていみた。
「それは失礼。若いうちは沢山恋愛するのがいいよ。凪も早く彼女出来たらいいのになぁ〜…。」
「え?彼氏じゃなくて?」
「オーナー、変な誤解うむので変な間違いは止めてください。」
「おっと、そうだった。悪いわるい。」
ランチのサラダの支度をしながら『凪は弟の若い頃にそっくりだからつい間違える。』と話していたのと時々奈々ちゃんがオーナーの事を『叔父さん』と呼ぶことから、どうやら凪ちゃんとオーナーは叔父と姪の関係らしいことがわかった。
(…てことは、泉くんとも?)
この1週間、泉の事を忘れて、スパッとなかったことにしたくとも、今みたいにふとした瞬間に泉のことを思い出してしまうので、『意図的に頭から追い出す。』を繰り返していた。
(凪ちゃんは泉くんから私とのこと何か聞いてるのかなぁ…。)
千夏は凪にあの夜のことを泉から何か聞いていないか気になっていたが、『何で兄のことを知ってるの?』と問われたら、自分の口からあの失態を暴露しなければならないので聞かないでいた。
「お待たせしました。オムライスランチです。コーヒーゼリーサービスでホイップつけておきました。」
凪がトレイにオムライスと小鉢にサラダ、スープ、デザートのコーヒーゼリーをのせて運んできた。オムライスランチはこのカフェで1番のお勧めランチでコレで600円なのだ。ふわふわの卵の中にチキンライスが入っており、ケチャップではなくデミグラスソースがかかっているのでどこか高級感がある品だった。
「わー!ホイップ嬉しい♪凪ちゃんありがとう!」
スプーンを手にして食べ始めようとした時だった。
店のドアが開いて男性客が入ってきた。
「あ!市島先輩じゃないっすか!」
声をかけてきたのは、同じ部署の後輩の品川くんだった。よく言えば人懐っこい。悪く言えば馴れ馴れしい。そんな性格の彼なのだが韓国アイドルの様なビジュアルが味方してマイナスの印象を受ける人はいなかった。広報を担当する千夏の場所だが品川はいつも『営業に来ないか?』と飲み会のたびに誘われていた。残念ながら千夏はそんなふうに声をかけられたことは一度もなかった。
「品川くんがこのお店に来るなんて珍しいじゃない。」
「今日はオムライス食べたくなって、先輩がここのお店勧めてたの思い出して来てみました。もしかして先輩は1人ですか?なら、隣座っちゃおうかなー。」
「別に構わないわよ〜。あ、凪ちゃん、オムライスランチもうひとつお願い。」
「あの店員さん、『凪ちゃん』っていうですか?美人っすね。背も高くてモデルみたいだ!」
「品川くんもそう思う?凪ちゃんは女の私から見ても好きになっちゃいそうな美人なんだよねー!」
千夏と品川の会話を聞きオーナーは独りひっそり笑いを堪えていた。
「凪、褒められてるぞ。良かったな。」
「叔父さんうるさい。だまって。」
小声で交わされた2人の会話は千夏と品川には聞こえていない。凪は自分が褒められている事に嬉しくは思っていないようだった。
千夏は久々に品川とのランチで話が弾んでいたのだが、『兄からです。』と突然凪からメモを一枚渡され、それを見るなり青ざめた。
『連絡して。090-xxxx-xxxx 泉より』