舞死去の知らせは、舞の姉のメッセージによるものだった。

 メッセージは高校時代の友人の中では響歌と歩に来た。2人共、葬式には絶対に行こうと思っていたが、身内だけで行われたので最期の別れもできなかった。

 他の友人達にわざわざ知らせることはしないつもりだが、それでもいつかは知らせないといけないだろう。

 響歌は舞の墓前で、長い間、彼女に語りかけていた。

 これまで会わなかった分の近況報告、そして過去のこと。色々なことを話していた。

 ここに来た時には真上にあった太陽が傾きかけてきた頃、響歌を呼ぶ声がした。

「お母さーん、もうそろそろいいー?」

 そろそろタイムリミットだ。

 また…来るからね。

 舞に別れを告げると、それまで彼女に見せていた本を片づけて娘の方に歩いていく。

 娘の傍には夫の姿もある。響歌がここにいる間、2人には近くで時間を潰してもらっていたのだ。

 響歌は2人と合流すると、娘を間に挟み、3人で話をしながら墓地を後にした。