「ロウ〜どこにいるんだ〜?」


朝起きたらロウがどこにもいなかった


昨日まで隣で寝ていたのに


「母さん、ロウ知らない?」


「ロウ君?起きてきてないけど…」


ガチャ


ドアの開く音がした


「ロウ!!」


「ヒッ、れ、れん…?」


ロウは外に行っていたのか?何しに…?


「どこに行って……!」


「ごめんなさい!」


ロウは今までで一番大きい声で謝り、その場に座り込んでしまった


「ロウ…ごめん怒ってないから、こっちおいで」


「おこってない?」


ロウは泣いていた、よく見ると頬に傷があった


俺は急いでロウに駆け寄り、怪我を見る


「怪我!これ…どうしたんだ!」


ロウは頬に触れていた俺の手を払って傷を隠すようにうつむいた


「ころんだ」


それは明らかに転んだ傷なんかではなかった


何かに引っ立たれたように、三本の傷が並行に並んでいた


もし誰かにやられたのなら助けてやりたかった


「とにかく手当しよう」


俺はロウの手をひきリビングへと向かった