「風呂わかんないって…入ったことないのか?」


「うん」


そんなやついんのかよ


もしかしたらとてつもない貧乏なのかもしれない


「わかった俺が入れてやるよ」


俺は腕と足をまくりロウを風呂に入れる準備をした


「あの、ぼくなにしたらいいの?」


そっからか…


「まずは服脱がないとな」


服を脱ぐは理解できたらしいが、脱ぎ方が慣れていないような、まるで赤ん坊を見ているかのようだった


「じゃぁここ座って、お湯かけるけど、熱かったら言ってくれ」


シャワーのお湯をロウの方にかける


「うわっ!!」


ロウは勢いよく立ち上がり俺と距離を取った


「熱かったか?ごめん!」


慌てて温度を確認するが、全然普通の温度だった


「あったかい……なんで?」


そっか、こいつ初めて風呂入るんだもんな


「これはシャワーって言って、あったかいのが出てくるんだ」


「すごい…」


ロウは興味を持ったのかシャワーをじっと見ている


「ほら早く洗うぞ」


しっかし、本当に傷だらけだな


一つ一つの傷は小さいが、こう何個もあるとすこしグロいな





俺シャンプーをし終えた髪に驚いた



「髪めっちゃ綺麗だな…」


白寄りの銀色というのだろうか、光を当てるとキラキラ光って見えた


「きれいになった?」


鏡越しにこちらを見るロウに驚いた


目もとても綺麗だったからだ


黒い瞳孔に黄色い眼、その凛々しさはまるで獣にようだった


「れん?どしたの?」


「ううん!なんでもない、腹減ったな!早くあがろうぜ!」