「ーっ!!」


絶対に殴られると思い、目を強く閉じた


しかし殴られる前に聞こえてきたのはうめき声だった


「ゔっ!!」


「誰だ!!」


もう1人が声を上げている


俺は目を開け、周りを見渡すと連中が倒れていた


そしれ中央に1人の男が立っていた


髪も服もボロボロだった


「あの〜?」


俺はそいつに声をかけた


お礼はちゃんと言わなきゃな!


「助けてくれてありがとう、君は怪我してない?」


そいつは少し驚いた顔をした後、戸惑った顔をした


表情がコロコロ変わるのがおかしくて笑ってしまった


「ははっ、面白いな、お前名前は?」


「ぼくは…ロウ」


「ロウか、俺は邪馬井蓮!よろしくな!」


握手をしようと手を差し出した


ロウは俺の手を強く握った


「けが!」


よく見ると手に切り傷があった、押し倒された時に切ったのかもしれない


「いたい?」


心配そうにこちらを見上げる様は、まるで子犬のようだった


「全然大丈夫!てか、ロウの方が怪我酷いだろ!」


アザや切傷が至る所にできており、靴も履いておらず、足からは血が出ていた


「とにかく手当しなきゃだな!俺ん家すぐそこだから、行こうぜ!」