蓮said



マジでどこにもいねぇなじゃんかよ!


俺から離れんなって言ったのに、普通にどっか行きやがった


エレベーターを見つけ次の階を探しに行こうとした


「屋上…?」


なぜかはわからないが、そこにいる気がした


俺は走った


マジで今世紀最大のスピードだったと思う


「ロウ!!!!!」


俺は勢いよく屋上の扉を開けた


「れん…なん…で」


ロウは辺なやつに首を絞められ中に浮いていた


「てめぇ…何してんだ!!」


俺は辺なやつに飛び蹴りをくらわせ、ロウとそいつが吹っ飛んだ


「ロウ!大丈夫か!?何があった!?」


「れん…だめ、にげて」


「イッテェなぁ!何しやがんだクソ野郎!!」


辺な奴が立ち上がり ずんずんとこちらに歩いてきた


「クソ野郎はどっちだよ!なに、人の友達殺そうとしてんだ!」


「友達…?こいつが?」


クソ野郎は目を丸くしてロウを見る


「クククッ そうかそうか、こいつのせいだったんだな、なぁそうなんだろ、ロウ!」


「ちがう!れんは、かんけいない!」


クソ野郎が俺の胸ぐらを掴んだ


「テメェだろ、ロウに変なこと吹き込んだやつは、」


「テメェこそ誰なんだよ!ロウに手出しやがって!!」


ロウが俺とクソ野郎の間にわって入った


「やめて!にいさん!!」


兄さん?


「兄さん!?!?!?」


え?今兄さんって言った?言ったよな?てことは、、ロウのお兄さんってこと?


「わかっただろこれはただの兄弟喧嘩だ、関係ねぇ奴が首突っ込んでくんじゃねぇよ!」


激しい痛みと同時に俺は後ろへと2、3m吹っ飛ばされた

どうやら頬を殴られたらしい


「れん! にいさん!れんをきずつけないで!おねがい!」


ロウは兄貴の腕を掴み足止めをしている


ロウの兄貴は俺を殺しにかかってきてる


「ロウ、これはお前のためなんだ、この人間がいなくなればお前も戻ってくるんだろ?」


「そんなわけないだろ!にいさんがかんがえをあらためるまでぼくは、もどらない!」


一体なんの話をしているのか全く意味がわからない


さっきから俺のことを人間と言って存在自体を否定するように貶してくる


「れんをきずつけるなら、いくらにいさんでも…」


「許さない」


「やってみろよ、今まで俺に一度でも勝てたことねぇくせによぉ!!」


ロウの最後の一言が聞き取れなかったのは気のせいだろうか


微妙に唸り声のような雑音が混ざっていてわからなかった


でも俺のために怒ってくれていることだけはわかった


ロウは2、3回トーン、トーンと上に跳ねたと思うと


その場から消えた


消えたと同時に、ロウの兄貴が吹っ飛んだ


「えっ、なにが…」


なにが起きたのか全く理解できなかった、


「ロウ…お前、なんだよその速さ……」


ぶっ飛んだ兄貴が頭から血を流しフラフラと立ち上がった


今の速さだったのか?


じゃぁ早すぎてロウの動きが見えなかったってことかよ


そんなこと普通の人間にできることなのか?


「ずっと…隠してたのか?」


兄貴は目をカット開きロウを睨んだ


「ずっと…俺を騙してたのか?」


「才能がないふりしてたのか!」


「お前のせいだって俺がどれだけ言われ続けたか」


「にいさんがつよいのと、ぼくがよわいのはかんけいないだろ」


ロウはいつもより遥かに冷静だった


「俺がお前の才能を全部取って生まれてきたから、お前みたいな出来損ないが生まれたんじゃないかって!!」


「俺の存在がどれだけ否定されてきたか……お前にわかるか?」


兄貴はロウの肩を掴み小刻みに震えていた


おそらく怒りで震えていたのだろう


しかしロウは冷たく突き放した


「どんなりゆうがあろうと、れんをきずつけるのはゆるさない」


兄貴は一瞬怯んだかと思うと、走り出し


屋上から飛び降りた


「え!おい!」


俺は慌てて後を追おうとしたが


ロウに止められた


「ほっといていいよ、あんなやつ」


その時のロウの目は


とても怖かった