「お前馬鹿なの?」


久しぶりに話したかと思ったらすごいことを言われた


「なんで人間の街なんて行った」


「ご飯くれる人がいて…それで…」


「俺たちが持ってくる肉じゃ満足できねぇっていうのかよ、こっちはチビなテメェの分まで取ってきてやってんのによ」


「そんなんじゃ…ない」


「じゃぁなんでだよ」


「人間は…悪い奴らじゃないよ」


「は?お前…何言ってんの?」


「人間はみんながみんな悪い人ってわけじゃない、いい人だっている」


兄さんは僕に近づき僕のことを殴った


「いっー!兄さん?」


「お前は今まで何を学んできた!人間は敵なんだよ!森を破壊し、空気を汚し、俺たちの仲間を殺したのだって人間なんだぞ!?自分達が地球の支配者だと思い込んでいる愚か者なんだよ!」


兄さんは続けた


「お前知ってるか?「狼」は「大神」っても書くんだ俺らは森の神なんだよ、地球を守るようにつけられた名前なんだよ、」


「でも「狼」も「大神」も人間が与えてくれた名でしょ?!」


「そうだ、あいつらは俺らを神の使いと崇めたくせに殺した、そんな奴ら許せると思うか?」


「でも…でも…」


「でもじゃねぇ!これ以上余計なことをいうな!俺まで頭おかしいと思われるだろうが!そのせいで次のリーダーに選ばれなかったらどうしてくれんだよ!」


なんだよその言い方


そんなこと言ったら


「僕はどうでもいいみたいじゃんか……」


「あ?当たり前だろ、お前のことなんかどうだっていい、俺が気にしてるのはこの群れのリーダーになれるかどうかと、人間を殺せるかどうかだ」


ドン


「ふざけるな!!」


初めて兄さんに反抗した


「何も知らないくせに!人間がどれだけあったかいか知らないくせに!!」


兄さんは僕の行動が意外だったのか朧いていた、がすぐに起き上がり言い放った


「そんなに人間が好きなら人間になればいいだろ、テメェはもうオオカミじゃねぇ」




「出てけ」