家に帰ると群れみんなが集まっていた


「ロウ、なにをしていた」


群れの中央から父さんが出てきた


「どこにいっていた!」


「人間……の街」


周りのオオカミたちが騒ぎ始めた


「人間の街ですって!?」


「何を考えているんだ!?」


「それでその有様か」


父さんは僕の怪我をした足を見て呆れていた


僕は下を向くことしかできなかった


「お前は今日から外出禁止だ、早くかえりなさい」


群れのルールを破ったんだそれぐらい当たり前のことだった


僕は洞穴の一番奥で眠りについた




それからは周りの目が痛かった


話し声が聞こえてきたり、笑い声が聞こえてきたりすると


僕のことを話してるんじゃないかとか、僕のことを笑っているんじゃないかとか


色々考えるうちに、寂しく、悲しくなっていった


ガサ


出口の方で音がした


顔を上げるとそこには兄さんがいた