アオォォォォン


僕ロウは月に向かって遠吠えをした


「さぁ帰りましょう」


母さんが僕の首を咥え岩から飛び降りる


僕はまだ手足が短いから遠吠えの岩山に1人では登れない


「母さん、いつになったら僕の狩に連れて行ってくれるの?」


「ロウはまだ小さいから、もう少し大きくなったらね」


いっつもこればっかり、早く僕も外の世界に行きたい





父さんいわく僕の住む群れは、日本最後のオオカミの群れらしい


でも人間はぼくたちオオカミはもう絶滅したと思ってるらしくて


見つかったら捕まって剥製にされちゃうんだって


だから人間の街に降りることは群れのルールで禁止されてる


でもぼくは今日も人間に街へと向かった