カードを見てみると、
゛写真館でカップルらしい
写真を撮影せよ。〝
「まず、とにかく写真館に行った方が良さそうだね。写真館はえーっと…」
「3階だ。」
私たちは3階の写真館に向かった。参加証を見せ衣装を選んでいた。
「カップルっていうくらいだけど、写真館の衣装って結構限られてるよね…。となると一番考えられるのは結婚式の衣装…。」
結婚式って…
言ってから気づいたのだが結構恥ずかしい。
「確かに。タキシードに近いものもあるしな。」
「じゃあ、私は…このドレスにしよっかな。」
「虹叶は決まった?」
「ああ…。」
「じゃあ着替えてからまた。」
私は着替えていたときにふと気がついた。
さっき選んでいたときには気がつかなかったが、
このドレスの背中の部分がとても空いているのだ。
「え!ちょっと何これ!恥ずかしい…。露出度高過ぎない…?」
フィッティングルームから出てくると先に着替えていた虹叶に会った。
「どう…?」
「ああ…。星出は何でも似合うから良い。」
何でもって…
虹叶は平気でこのセリフを真顔で言ったのだ。私は顔を赤らめていた。
「星出?顔が赤いぞ。熱か?」
「ううん…大丈夫…。」
私たちは撮影室に行き撮影を始めた。
「2人とももっとくっついてー!彼女さん、もっと寄って!」
こんなに寄ってしまったら、ドキドキしていることが虹叶にばれてしまう。
「星出…」
と呼ばれた瞬間、虹叶が私の腰を引き寄せたのだ。
「え…。」
「いい感じだよ!そのままこっち向いてね!はい、チーズ!」
パシャ
無事撮影が終わり最初のミッションはクリアしたらしい。
写真館のスタッフが、
「はい、次のミッションカードです。頑張ってくださいね。」
そこには
゛カフェに行き
カップルがしそうなことをせよ〝
と書いてあった。
次の目的地はカフェらしい。
そこに行く途中で、虹叶にさっきのことを聞いた。
「虹叶、さっきどうしてあんな風に…ひ、引き寄せた…の…?」
「ああ…。すまない。あの方がカップルっぽく見えると思ったのだが、違ったか?」
「いや…。ち、違わないけどよくできたよね。虹叶がすると思わなかった。クリアできたから良かった。 ええと…次のカフェは2階か…。」
きっと虹叶はあのミッションをクリアするためにあのようなことをしたのだろうけど少し恥ずかしかったが嬉しかった。
「いらっしゃいませ。カップル脱出ゲームの参加者ですね。こちらでは、お二人には食べさせあいをし、そしてカップルジュースを飲んでいただきます。」
と言うとケーキとジュース1つにストローが2つついたジュースが運ばれてきた。
「制限時間は20分です。よーい、スタート!
」
「星出、はい。」
とスプーンにケーキを乗せて口元にスプーンを寄せた。私は周りを見ながら恥ずかしかったが口を開けて、
パクっ
「美味しい!虹叶も食べてみなよ!」
と言って虹叶の顔を見ると少し驚いた顔で
「今度は食べるんだな。ドリームチャレンジの時は食べなかったが。」
「あ、あのときは…ね…。」
急にあーんとかしてくるし、しかもすぐに諦めるし…。驚き過ぎて…何がなんだかわからなかったんだよっ。
「虹叶も食べてみる?って食べないか甘いもの苦手だったね。」
と私はスプーンに乗せたケーキを食べようとすると、虹叶が私の腕をぐいっと引き寄せ、私のスプーンにあるケーキをパクっと食べたのだった。
「え…。」
突然のことで固まってしまった。
「これをしないとクリアに
ならないんだろ?」
と言い、さらにカップルジュースのストローに口をつけ飲み始めたのだった。私もジュースのストローに口をつけて飲んだ。顔が思ったよりも近くて、虹叶に顔を赤らめた私に気づいてしまうのではと気が気でなかった。
すると、店員さんが2人で飲んでいる様子を写真に撮ったのであった。
「この写真が証明になると思うので持っていてくださいね!」
と言うと写真をわたした。見てみると、自分が顔を赤らめているのがバレバレで恥ずかしくて直ぐにしまった。
「次のミッションのカードです。」
カードを見ると、
゛最初の場所に戻り指示を待て〝
戻るって…私たちあっちこっちに振り回されてる…。
指示に従い、私たちは最初の場所に戻った。
最初の場所では、
「おめでとうございます。こちらが最後のミッションです。」
゛相手の好きなところを20個言え〝
「言う順番はどちらからでも大丈夫ですよ!」
なんかこんなこと前にもやった気がする。
キュン縄の時とビンゴの時だったっけ…
縄跳びの時、虹叶が私の好きなとこで美人って言うから驚いて、虹叶にそんな感覚あるんだって思って…。懐かしいな。
ビンゴは私が…。
「星出、俺からの方がいいか?」
「先いいの?」
「ああ…。」
「頭が良い。優しい。論理的。計画的。堅実的。…」
と虹叶が言っていた。それってキュン縄の時と同じものばっかだし…。
「…あと可愛い。」
「…へ?」
突然だったから変な声が出てしまった…。
か、可愛い?そんな言葉初めて聞いた…。
前は美人で今回は可愛い!?もう心臓もたない…。こんなんで次言えるかな…
けど次はあたしの番だ虹叶が頑張ってくれたし。
「一途。芯が強い。単純。天然。純粋。運動できる。…」
うわぁ。キュン縄の時と自分も変わんない。
あ、でも好きになってからも結構増えたな…。
そして今日一番思ったのは…
「あと、か、かっこ良いところ…。 そしてありがと…。」
「?星出、最後のは好きなところでは…。」
「分かってるよ!でもちゃんと今日伝えたかったから。私のわがままに付き合ってくれたから…感謝してるって…。」
「別にわがままではない。俺たちの今後にも関わることだから。」
あーそういう奴だよね、虹叶は。でも、今日は楽しめたから…。
「これで終了です!お疲れ様でした!クリアされたカップルには最初に言ったとおり、ツーショット写真とカップルスイーツ無料券をお渡ししまーす!ツーショット写真はカフェでの写真になります!今日の思い出をまた思い出してみてくださいね!」
「星出、カップルスイーツ食べに行くか?」
「ううん。また、今度来た時に食べる。」
今度にしなきゃまた誘えない気がする。
「そうか。」
もう日が傾きはじめていた。今日は結構楽しかった…
「あ!」
「どうした?」
「写真あまり撮れてない…。」
「イベントに結構時間がかかってしまったな。」
それだけではなく、アピールも忘れて楽しんでしまっていた。
「また来ればいい。スイーツも兼ねて。」
「また一緒に行ってくれる…の…?」
「?あたりまえだ。俺は星出のパートナーだから。それとクレープ屋にいたときのことなんだが…俺は星出とこれからもやっていきたいと思っている。星出がやりたいこと、星出の目的達成のために協力しようと思っているから解消はしない。星出が解消したいのなら別だが…。」
「そっか…ありがと。じゃあまたよろしく。」
「ああ…」
今日は振り向かせることは出来なかったけど楽しかった。
でも次は絶対に振り向かせてやるんだから。
そんなことを帰り道で考えながら帰ったのであった。
このあと私たちは修学旅行中思いもよらぬ出来事にあい、私たちの関係に大きな影響を及ぼす出来事が起こるとはまだだれも想像していなかったのだった…。
Fin.
゛写真館でカップルらしい
写真を撮影せよ。〝
「まず、とにかく写真館に行った方が良さそうだね。写真館はえーっと…」
「3階だ。」
私たちは3階の写真館に向かった。参加証を見せ衣装を選んでいた。
「カップルっていうくらいだけど、写真館の衣装って結構限られてるよね…。となると一番考えられるのは結婚式の衣装…。」
結婚式って…
言ってから気づいたのだが結構恥ずかしい。
「確かに。タキシードに近いものもあるしな。」
「じゃあ、私は…このドレスにしよっかな。」
「虹叶は決まった?」
「ああ…。」
「じゃあ着替えてからまた。」
私は着替えていたときにふと気がついた。
さっき選んでいたときには気がつかなかったが、
このドレスの背中の部分がとても空いているのだ。
「え!ちょっと何これ!恥ずかしい…。露出度高過ぎない…?」
フィッティングルームから出てくると先に着替えていた虹叶に会った。
「どう…?」
「ああ…。星出は何でも似合うから良い。」
何でもって…
虹叶は平気でこのセリフを真顔で言ったのだ。私は顔を赤らめていた。
「星出?顔が赤いぞ。熱か?」
「ううん…大丈夫…。」
私たちは撮影室に行き撮影を始めた。
「2人とももっとくっついてー!彼女さん、もっと寄って!」
こんなに寄ってしまったら、ドキドキしていることが虹叶にばれてしまう。
「星出…」
と呼ばれた瞬間、虹叶が私の腰を引き寄せたのだ。
「え…。」
「いい感じだよ!そのままこっち向いてね!はい、チーズ!」
パシャ
無事撮影が終わり最初のミッションはクリアしたらしい。
写真館のスタッフが、
「はい、次のミッションカードです。頑張ってくださいね。」
そこには
゛カフェに行き
カップルがしそうなことをせよ〝
と書いてあった。
次の目的地はカフェらしい。
そこに行く途中で、虹叶にさっきのことを聞いた。
「虹叶、さっきどうしてあんな風に…ひ、引き寄せた…の…?」
「ああ…。すまない。あの方がカップルっぽく見えると思ったのだが、違ったか?」
「いや…。ち、違わないけどよくできたよね。虹叶がすると思わなかった。クリアできたから良かった。 ええと…次のカフェは2階か…。」
きっと虹叶はあのミッションをクリアするためにあのようなことをしたのだろうけど少し恥ずかしかったが嬉しかった。
「いらっしゃいませ。カップル脱出ゲームの参加者ですね。こちらでは、お二人には食べさせあいをし、そしてカップルジュースを飲んでいただきます。」
と言うとケーキとジュース1つにストローが2つついたジュースが運ばれてきた。
「制限時間は20分です。よーい、スタート!
」
「星出、はい。」
とスプーンにケーキを乗せて口元にスプーンを寄せた。私は周りを見ながら恥ずかしかったが口を開けて、
パクっ
「美味しい!虹叶も食べてみなよ!」
と言って虹叶の顔を見ると少し驚いた顔で
「今度は食べるんだな。ドリームチャレンジの時は食べなかったが。」
「あ、あのときは…ね…。」
急にあーんとかしてくるし、しかもすぐに諦めるし…。驚き過ぎて…何がなんだかわからなかったんだよっ。
「虹叶も食べてみる?って食べないか甘いもの苦手だったね。」
と私はスプーンに乗せたケーキを食べようとすると、虹叶が私の腕をぐいっと引き寄せ、私のスプーンにあるケーキをパクっと食べたのだった。
「え…。」
突然のことで固まってしまった。
「これをしないとクリアに
ならないんだろ?」
と言い、さらにカップルジュースのストローに口をつけ飲み始めたのだった。私もジュースのストローに口をつけて飲んだ。顔が思ったよりも近くて、虹叶に顔を赤らめた私に気づいてしまうのではと気が気でなかった。
すると、店員さんが2人で飲んでいる様子を写真に撮ったのであった。
「この写真が証明になると思うので持っていてくださいね!」
と言うと写真をわたした。見てみると、自分が顔を赤らめているのがバレバレで恥ずかしくて直ぐにしまった。
「次のミッションのカードです。」
カードを見ると、
゛最初の場所に戻り指示を待て〝
戻るって…私たちあっちこっちに振り回されてる…。
指示に従い、私たちは最初の場所に戻った。
最初の場所では、
「おめでとうございます。こちらが最後のミッションです。」
゛相手の好きなところを20個言え〝
「言う順番はどちらからでも大丈夫ですよ!」
なんかこんなこと前にもやった気がする。
キュン縄の時とビンゴの時だったっけ…
縄跳びの時、虹叶が私の好きなとこで美人って言うから驚いて、虹叶にそんな感覚あるんだって思って…。懐かしいな。
ビンゴは私が…。
「星出、俺からの方がいいか?」
「先いいの?」
「ああ…。」
「頭が良い。優しい。論理的。計画的。堅実的。…」
と虹叶が言っていた。それってキュン縄の時と同じものばっかだし…。
「…あと可愛い。」
「…へ?」
突然だったから変な声が出てしまった…。
か、可愛い?そんな言葉初めて聞いた…。
前は美人で今回は可愛い!?もう心臓もたない…。こんなんで次言えるかな…
けど次はあたしの番だ虹叶が頑張ってくれたし。
「一途。芯が強い。単純。天然。純粋。運動できる。…」
うわぁ。キュン縄の時と自分も変わんない。
あ、でも好きになってからも結構増えたな…。
そして今日一番思ったのは…
「あと、か、かっこ良いところ…。 そしてありがと…。」
「?星出、最後のは好きなところでは…。」
「分かってるよ!でもちゃんと今日伝えたかったから。私のわがままに付き合ってくれたから…感謝してるって…。」
「別にわがままではない。俺たちの今後にも関わることだから。」
あーそういう奴だよね、虹叶は。でも、今日は楽しめたから…。
「これで終了です!お疲れ様でした!クリアされたカップルには最初に言ったとおり、ツーショット写真とカップルスイーツ無料券をお渡ししまーす!ツーショット写真はカフェでの写真になります!今日の思い出をまた思い出してみてくださいね!」
「星出、カップルスイーツ食べに行くか?」
「ううん。また、今度来た時に食べる。」
今度にしなきゃまた誘えない気がする。
「そうか。」
もう日が傾きはじめていた。今日は結構楽しかった…
「あ!」
「どうした?」
「写真あまり撮れてない…。」
「イベントに結構時間がかかってしまったな。」
それだけではなく、アピールも忘れて楽しんでしまっていた。
「また来ればいい。スイーツも兼ねて。」
「また一緒に行ってくれる…の…?」
「?あたりまえだ。俺は星出のパートナーだから。それとクレープ屋にいたときのことなんだが…俺は星出とこれからもやっていきたいと思っている。星出がやりたいこと、星出の目的達成のために協力しようと思っているから解消はしない。星出が解消したいのなら別だが…。」
「そっか…ありがと。じゃあまたよろしく。」
「ああ…」
今日は振り向かせることは出来なかったけど楽しかった。
でも次は絶対に振り向かせてやるんだから。
そんなことを帰り道で考えながら帰ったのであった。
このあと私たちは修学旅行中思いもよらぬ出来事にあい、私たちの関係に大きな影響を及ぼす出来事が起こるとはまだだれも想像していなかったのだった…。
Fin.