「虹叶ー準備できた?」


「ああ…。」


「それじゃあ行くよ…」


「…」


虹叶が私をじっと見つめて何かを考えている。



「どうしたの?」



「いや…。何か今日いつもと違う感じだな…。似合っている…と思う。」


咄嗟のことで驚きを隠せなかった。



「え…。あ、ありがと。」


咄嗟のことで少し声が上ずってしまった。

驚いた…。
虹叶がそんなこと言ってくるなんて…
しかも真顔で…。
まあ…今日はちょっと露出度高めのフワッとしたのを着てみたんだけど…。

やっぱり少し恥ずかしい。いつもはこんなのは似合わないと思い、着ないからだ。

でも褒められたから良かった…のかな?



「星出…少し寒いかもしれないから上着持っていった方がいいと思う。」


やはり通常運転の虹叶だ。


「そ、そだね。」


少しぎこちないデートの始まりだった。