リーズは駆け寄ると妙齢の女性が、リーズちゃんというように声をかけてくる。
 どうやら長年の畑作業の影響で腰をついに痛めたようで、そのたまりにたまった腰痛が爆発して動けなくなってしまったのだ。
 もう70歳を過ぎるであろうこの女性を畑の脇にあるベンチに連れて行くと、ゆっくりとした動きでそのベンチに座る。

「リーズちゃんごめんね~」
「いいえ、それよりおばあちゃん。ちょうど何か私にできることないか探してたところなの。よかったら畑を手伝わせてもらえない?」
「ええ? でも貴族のご令嬢にそんなこと……」
「私はこの村でご厄介になってる。だから、この村の為に働きたい、教えてくれる?」

 セリアは少し考え込んだ後、そこまで言うのであればと言った様子でリーズの目を見つめる。