学校帰り。今日は午後から急に雨が降って来た。最悪なことに傘を持っていなかった。
靴も靴下も濡れるし というか全部びちょびちょ。 気分はガン萎え。最近はずっと雨が降っている。ピカッと雷が落ちた。
「さっさと帰ろ、、」私はいつもより早く足を進めた。

次の日は珍しく晴天になっていた。
今日は席替え。クラスメイトの声がいつもより大きく感じる。
「ねぇ、席替えとかだるいんだけど」前の席から声をかけてきたのは 親友の菜奈だった。
「何でやねん、あんた海と近くになれるチャンスやん」 「そうだけどさぁ」
海 とは菜奈の好きな人だ。高校に入学してから一目惚れしたらしい。
「絶対なれるかわかんないじゃん?」
「せやけど、希望くらいもちや?」
えぇ〜、と言いながら彼女はくじを引きに行った。私は一目惚れや、恋というものがわからない。したこともない。でもしてみたいと思う。女の子は恋をすると可愛くなるとよく言う。まさにそうだと思う。周りの女の子はどんどん可愛くなっている、メイクやヘアアレンジ。それに比べて自分は何もしていなかった。短い髪、だらしない八重歯、そして何よりコンプレックスな角張った体。
女の子らしい何て言葉とかけ離れている。
考えるだけ無駄だと思い、指定された席へ向かう。ため息を吐きながら座ると、隣の席になった人に話しかけられた。
「え、ため息つくほど俺のこと嫌?w」
「あ いや、別に、うるさくなるなと思って」
「うざがってんじゃんw」
隣の人はうちのクラスのムードメーカーの
宮野 怜。こいつの家は大金持ちとか何とか、
宮野はクラスでは目立ちたがりやなバカだ。
まぁ、自分も授業真面目に受けるわけじゃないし授業に支障はない。そう思いながら菜奈の元に話しかけに行った。