勇斗とSも自分の夢に向けてそれぞれ歩き出し、大学に進学した。

2人とはまめに連絡を取り合っていたし、大学が終わった後に飯を食べに行ったりもしていた。

相変わらずの関係が続いていた。


そしてもう1人。

凪沙の親友の萌歌だ。

萌歌は高校を卒業すると区役所に務め始めた。

萌歌とは毎日のように電話で話をしたし、休みの日で里香と会わない日は萌歌と遊びに出かけた。

俺が死ぬ前は、萌歌は俺に冷たく嫌なヤツだと思っていた。

でも、凪沙の中に入って、萌歌の優しさとか弱さとか色々見てきて思ったのが、メチャメチャ良い奴だった。

凪沙が親友でいる理由がわかった。

俺に冷たくあたっていたのは、凪沙が俺の事を好きなのをわかっていたからかもしれない。

心のどこかで俺に凪沙を取られてしまいそうで怖かったのかもしれない。

今の俺は凪沙としてじゃなく、萌歌とは親友でいたいと思ってる。