離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 開いた扉の向こうに泰雅が立っていた。ちょうどカードキーで開錠しようとドアの前に立ったところだったようだ。

「……白石先生」

「やっぱりな。急いで戻ってきて良かった」

 彼は困ったように笑うと部屋に入ってくる。妙な迫力と近づく距離に思わず純玲は後ずさる。彼の背後で静かに扉がしまった……純玲の逃亡は失敗に終わった。

「純玲、おはよう。あとただいま。さあ、昨日の話の続きをしようか」

 口元に笑みを湛えたまま泰雅は純玲の肩に手を置き、身体ごと回転させるとそのまま室内に誘う。

「き、昨日の話?」
 ナチュラルに部屋に逆戻りしている状況に慌てる純玲に泰雅はサラリと答えた。

「もちろん、俺たちの結婚についてだ」

「……結婚?」

(ん? 結婚?)と思いがけないワードに純玲の思考能力が停止する。

「とりあえず、座って」

 泰雅は言葉を失う純玲を部屋のソファーに座らせると、ミニバーでコーヒーを淹れてテーブルに置き、自分も斜め前に座る。

「純玲、身体は辛くない?」

「……はい、いえ、大丈夫です」