離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 おかげで肇の事は吹っ切ることができそうだ。この先、新しい出会いがあってもきっと前向きに捉えられる……はずだ。
 
 スマートフォンを見ると時刻は既に午前10時になろうとしていた。そして純玲は泰雅からのメッセージに気付き驚く。

 『おはよう。身体は大丈夫か? ひとりにしてすまない。用事があるので少し出てくる。レイトチェックアウトにしてあるから部屋で待っていて』

 なんと、彼はこの部屋に戻って来るつもりでいるらしい。純玲は焦る。

「無理。どんな顔して会ったらいいか分からない……ていうか、会わす顔がない。戻ってきちゃう前においとまさせていただこう。うん、それがいい」

 一瞬で逃亡を決めた純玲は素早く身支度を整えた。

 弁護士をするくらい誠実な彼だ。純玲に対して責任を感じているのかもしれない。気にしないでほしいから、もう彼とは会わない方がいいかもしれない。

(失礼をお許しください、昨日のことはいい思い出にします。だから先生は忘れてください)

 純玲は心の中で謝罪しながら部屋のノブを勢いよく引いて――そのまま固まった。