離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

「そう呼ばれると何だか悪いことをしている気分になる。先生じゃなくて、名前で呼んで。泰雅って」

 泰雅は純玲の首筋に唇を這わせ、ワンピースの前ボタンを素早く外していく。

「は、む、無理ですっ」

 初めて会った時から彼は『先生』だった。長年親しみを込めて使っていた呼び方を、急になれなれしく名前で呼ぶことは、なんだか裸になるより恥ずかしい気すらする。抵抗する純玲の耳朶に泰雅は唇を当てたまま短く言った。

「呼んで」

「んっ……!」

 背筋にゾクゾクした感覚が走る。
 
 純玲は昔から彼の低い声に弱いのだ。恋心を自覚してからは彼に甘く囁かれてみたいと密かに思ったこともある。
 吐息と共に艶のある彼の低く甘い声が直接鼓膜を震わせ、脳が溶けそうだ。いや、もう溶かされている。

「……た、たいが、さん」
 初めて呼んだ彼の名前が舌足らずになってしまっていることに純玲は気付けない。

「……ああ、君は、かわいいな――純玲」
 彼の吐く息がさらに熱くなっていく。