「えっと、あの、契約だとしても私を奥さんにしていいんですか? お役に立てるかどうか。だって彼に『男慣れしてなくて可愛げが無い』って言われたんですよ。それって女として魅力が無いってことで……」
「アイツにそんなこと、言われたのか?」
泰雅はわかりやすく眉をひそめた。焦りから会話のチョイスを完全に間違えたらしい。しかし引っ込みのつかない純玲はさらに迷走する。
「き……キスはされたことあるんですけど、拒否感が先立っちゃってそれ以上はできなくて……」
(わ、私は一体何を口走っているの。こんな話先生が困るだけじゃない)
でも、口に出して改めて実感する。瑠美のように可愛らしい女性だったら、男性慣れしていたら少しは扱いが違っていたのだろうか。“社長の娘”でなくても好きになってもらえたのではないだろうか。
「……それも、いけなかったんですかね」
結局ふたりの間に深い沈黙が落ち、純玲はいよいよ居たたまれなくなった。
もう帰った方がいいかもしれない。そう思った時だった。
「純玲ちゃん、左手出して」
「? は、はい」
ふいに言われ、純玲は膝の上で握っていた左手を持ち上げ、素直に彼の方に差し出す。
「アイツにそんなこと、言われたのか?」
泰雅はわかりやすく眉をひそめた。焦りから会話のチョイスを完全に間違えたらしい。しかし引っ込みのつかない純玲はさらに迷走する。
「き……キスはされたことあるんですけど、拒否感が先立っちゃってそれ以上はできなくて……」
(わ、私は一体何を口走っているの。こんな話先生が困るだけじゃない)
でも、口に出して改めて実感する。瑠美のように可愛らしい女性だったら、男性慣れしていたら少しは扱いが違っていたのだろうか。“社長の娘”でなくても好きになってもらえたのではないだろうか。
「……それも、いけなかったんですかね」
結局ふたりの間に深い沈黙が落ち、純玲はいよいよ居たたまれなくなった。
もう帰った方がいいかもしれない。そう思った時だった。
「純玲ちゃん、左手出して」
「? は、はい」
ふいに言われ、純玲は膝の上で握っていた左手を持ち上げ、素直に彼の方に差し出す。



