離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

(この人は今も悔やんでいるんだろう。かつて愛した人とその子を守れなかったことを)

 改めて見ると雄一郎の瞳は深い黒色をしていた。
 初めて純玲と会った時から神秘的だと思っているあの瞳の色と同じ。

「安心してください。命に代えても守ります」

 何の牽制も駆け引きもない本心で泰雅は応え、車を降りた。


 初産は出産までに時間がかかると聞いていたが、純玲の出産もなかなか進まなかった。

 なかなか陣痛の感覚が狭まらない。しかし痛みの波は大きくなっているらしく、一晩中純玲は痛みに耐えることになった。
 陣痛が落ち着いている時はフッと寝てしまうが、痛みが来ると苦しみ始めるということを何度も繰り返した。

「泰雅さんもお母さんも疲れてるでしょ? まだかかりそうだから、少し寝たら?」

 そんな状況でも純玲は義母や自分を気遣っていた。
 義母には家族用に用意された病室で休んでもらい、泰雅は彼女の傍にいつづけた。

 そうはいっても腰をマッサージしたり、水を飲ませることくらいしかできなかったが。