「君の寝顔、かわいいんだよ……ああもちろん、起きている方が綺麗な瞳が見れていいけど」
「ちょっと、誤魔か……んー……」
小さな抗議は意に介さず、夫は遠慮なく頬に唇を当て、純玲の好きな声で囁く。
「明日から離れなきゃいけないんだ。その分キスくらいさせてくれ」
(虎というより、よく馴れた猫みたい)
“弁護士会の白虎”という二つ名の由来は麗に結婚式で会った時に教えて貰った。
『弁護士として超優秀なこともあるし、法廷で本気になった時の白石って、周りを圧倒する迫力がすごいのよ。その勇猛さから付いた異名ってわけ』
なるほどと納得していたら、泰雅は苦笑して言った。
『いや、本当は所長が面白がって言い始めたのが広まっただけだ。白石泰雅――ホワイトタイガーだろ』と。
どちらにしても優秀な弁護士には違いない夫が、純玲にだけはこんなに気を許し、じゃれてくれるのは嬉しい。
結局純玲も笑って彼のキスを受け入けた。
妊娠後も変わらぬ優しさに甘さを増量させて愛してくれる彼との生活は穏やかで幸せだ。
自分も精一杯彼を支えていこう。
あとは新しい家族を迎えるのを楽しみに待つばかりだった。
「ちょっと、誤魔か……んー……」
小さな抗議は意に介さず、夫は遠慮なく頬に唇を当て、純玲の好きな声で囁く。
「明日から離れなきゃいけないんだ。その分キスくらいさせてくれ」
(虎というより、よく馴れた猫みたい)
“弁護士会の白虎”という二つ名の由来は麗に結婚式で会った時に教えて貰った。
『弁護士として超優秀なこともあるし、法廷で本気になった時の白石って、周りを圧倒する迫力がすごいのよ。その勇猛さから付いた異名ってわけ』
なるほどと納得していたら、泰雅は苦笑して言った。
『いや、本当は所長が面白がって言い始めたのが広まっただけだ。白石泰雅――ホワイトタイガーだろ』と。
どちらにしても優秀な弁護士には違いない夫が、純玲にだけはこんなに気を許し、じゃれてくれるのは嬉しい。
結局純玲も笑って彼のキスを受け入けた。
妊娠後も変わらぬ優しさに甘さを増量させて愛してくれる彼との生活は穏やかで幸せだ。
自分も精一杯彼を支えていこう。
あとは新しい家族を迎えるのを楽しみに待つばかりだった。