離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

(うぅ……よく覚えておいでで)
 あの時泰雅は『おめでとう、相手はどんな男なんだ?』と色々聞いて来たから、つい惚気のようにいろいろと話してしまっていたのだ。

 純玲としては久しぶりに会う泰雅にこんなバツの悪い話はしたくないと一瞬躊躇してしまう。

「純玲ちゃん?」
 泰雅の形の良い目にじっと見つめられる。ダメだ、誤魔化せる相手じゃないと純玲は早々に観念した。

「あの、実は……」
 純玲は事情を泰雅に話した。概要だけ伝えてサラッと終わらせるつもりだったのだが、聞き手の巧みな誘導により、話の内容や状況までかなり事細かに話す羽目になってしまった。さすが弁護士である。

 でも自分のなけなしのプライドの為に『可愛げが無くて、地味で手を出す気になれない』と言われたことだけは黙っていた。

「すみません……こんな話聞かせちゃって」
 全て話し終えた純玲は溜息混じりに項垂れた。精神的にとても疲れた。聞いてる方も滅入るだろうと申し訳なくなる。

「今からそいつに連絡。事実確認をして、こちらからも別れるという通告をするんだ」

 やけに平坦な声で泰雅が言う。思いがけない言葉に純玲は顔を上げる。

「えっ、今ですか?」

「こういうことは早い方がいい。個室だからここで電話すればいい。なんなら通話内容を録音するか?」