離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 それを切っ掛けに雄一郎は頻繁に祖父の見舞いに行くようになり、真紀とも顔を合わせるようになった。ふたりは恋に落ち交際が始まった。

 しかし、兼蔵が亡くなり、葬儀などの忙しさで雄一郎と会えない日々が続く。
 ある日真紀は雄一郎の代理人から彼の結婚が決まったことと、この先百田には関わらないようにと告げられる。

 当時百田家は祖父の死により雄一郎の父が家督を継いだが創業一族としての百田グループへの影響力は下がるばかりだった。
 長男の雄一郎の政略結婚は百田家の繁栄の為不可欠だったのだ。

 真紀は言われた通りに姿を消した――その時お腹に雄一郎の子を宿していたことは一切隠したまま。

 両親を早くに亡くし、天涯孤独だった真紀は地方に移り住み、出産。看護師をしながら純玲を育てた。
『大変だったけど、純玲がいたから幸せだし頑張れたわ』と笑っていたという。

 しかし純玲が5歳になってすぐ、真紀は突然病に伏せた。進行性のがんだった。
 連絡を受け駆け付けた同郷の親友、雪乃に『迷惑を掛けてごめんね』と謝ったという。

 自分の死期を知った後は、純玲の父親の事情を親友夫婦に全て話し、娘を彼らに託した。遺言を2つ残して。