離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 顔だけ振り返ると、エレベーターから一組の男女が降りてきたところだった。

 泰雅と麗だ。ふたりともスタイルがいいので遠目からでも目立つ。
 こちらに気付くことなくふたりは楽しげに話しながらガラスの自動ドアに向かう。そのまま待たせてあったタクシーに乗りこんだ。

「彼が浮気してるとでも言いたいんですか? 彼女も弁護士で同僚だから行動を共にするのは同然です。ましてここは彼の職場ですよ?」

 彼らを乗せたタクシーが視界から消えた後、純玲は冷ややかな声を出した。
 確かに並び立つふたりは美男美女でお似合いだし、距離感も近いように見えた。胸がチクリと痛んだことは否めない。でもそれだけでふたりが付き合っていることになるはずがない。

(今日は事務所に詰めるって言ってたのに麗先生と出ていったのも、予定が変わったのかもしれないし)

「まあ、普通はそう思うよな。でも、これ見ろよ」

 肇は奥行きの狭いテーブルの上に数枚の写真を並べる。

「……これは?」