離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

「こんな会社の前で僕と一緒にいる所をみられたらまずいだろう? ちょっと場所を変えないか」

「……少しだけなら」

 行くのはすぐ近くのビルだし、短時間で開放するからという言葉に純玲は了承した。

 肇が何を考えているのか分からないし信用も出来ないが、泰雅のことを陥れるつもりならはっきり言ってやりたかったし、亡くなった父親の話も気になった。

 そこから歩いて数分、連れて来られたのは大手町。
 以前純玲も来たことのある泰雅の勤め先の高梨・モルトレー法律事務所が入るテナントビルだった。

 1Fにあるロビーの窓際に外に向かって座れるカウンターの席がいくつかあり、辺りに人影はない。エントランスに背を向ける形で肇と並んで座わらせる。

「なんでわざわざ……」

 夫の勤め先のビルを話をする場所に選んだ意味が分からない。

「ここだったら向こうからは見えないから。さて、今日もふたりで出てくるかな……と、ほら、来た」

 チラチラ背後を伺っていた肇が純玲にも見るように促す。