離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 ふたりはビールグラスを軽く合わせて乾杯をする。そういえば、泰雅とお酒を飲みながら食事するのは初めてかもしれない。

「君と酒を飲むなんて初めてだな。飲める方?」
 彼も同じことを思ったらしい。

「そうですね、飲めなくはないです」
 晩酌はしないが、飲み会の時は普通に付き合うし、潰れたことも二日酔いになったこともないのでそこそこ飲める方だと思っている。

 そう言うと、泰雅は「それなら、料理に会わせた日本酒も出してもらおう」とオーダーしてくれた。

 既に懐石コースを注文していてくれたようで、少しづつ料理も運ばれてくる。
 どれも上品な味付けでどんどん箸が進む。

「それにしても、こうして面と向かって話すのは久しぶりだな」

「画面越しにはお話していたので変な感じがしますね。時差もあるのにレッスンにつきあってくれてありがとうございました。おかげで仕事にも役立ってます」

 東京とニューヨークの時差は13時間ある。泰雅は純玲の帰宅時間に会わせて出勤前に通話を繋いでくれた。

「お役に立てて何よりだよ。たしか今は海外のインターン生のサポートをしてるんだよな」

「そうなんですけど、来月から異動になりそうで……」
 純玲は秘書室へ異動になることを泰雅に打ち明けた。