離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

「50周年、そこそこ歴史があるだけで、変わる努力をしてこなかった結果、こうして上辺だけ取り繕うことしかできない会社になってしまった。経営不振で給料は下がっても役員報酬は変わらないままで、若い人は愛想をつかして次々と辞めてるって聞くよ」

「そうだったんだ……」

 社長の経営判断が会社の命運を分ける。当たり前のことなのだが、純玲は社長秘書になって肌で感じるようになった。百田社長は常に冷静に世の中の動きをよみ、決断に私情を挟まない。
 それを冷徹という人も多いが、グループを発展させるため、ひいては社員を守るためだと思っている。

 オノデラ貿易は中堅企業なので、百田ホールディングスのような巨大グループ会社と規模はまったく違うがその本質は変わらいないと思う。

(今更だけど、瑠美ちゃん、よくコネ入社できたなぁ)
 考えてみると百田ホールディングスにとって、オノデラ貿易はいくつもある取引会社の中の一つにすぎない。
 その娘をわざわざコネ入社させる理由はあったのだろうか。

「僕の今日の役目はね、オノデラに戻るつもりはないことをこの場でアピールして回ることらしいよ」