離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 その後も泰雅は彼女の相談にのった。進路を相談された時にはそれとなく女子大を勧めた。
 大学で他の男と知り合う機会を減らしたいという思惑は隠して。

 彼女が女子大の英文科に進んだ後も、英会話の練習を理由に会うようにしていた。しかし“先生”の立場は崩さなかった。いや、崩せなかったのだ。
 人は本気で手に入れたいものを前にすると、下手な事はできないと臆病になる。

 彼女の様子から今まで交際経験がないのは分かっていた。
 初心な彼女に、理解ある大人のふりをしていた“先生”がいきなり“男”を出したら戸惑うだろう。
 信頼を失い距離を取られるかもしれない。

 今ある穏やかな関係も、自分の癒しも失いたくない。
 そう思ってしまったことを後に泰雅は死ぬほど悔やむことになる。

 純玲が大学3年の時、泰雅は事務所の指示でアメリカへ留学することになった。
 3、4年は帰ってこれないことは分かっていた。

 キャリア的には不可欠なものだから行くつもりだったが、純玲と離れるのは辛かった。
 会うたびに綺麗になっていく純玲は、社会に出たら他の男に奪われてしまうかもしれない。
 告白してから行こうと決めた。