瑠美は肇と婚約したはずだが、あれほど見せつけたがっていたのに最近は社内でふたりでいるのを見たことがない。
秘書室勤務になったこともあるし、自分も気にならなくなっただけかも知れないが。
「まあ、瑠美ちゃん、今は結婚するの難しくなってるかもねぇ」
母は何ともなしに言う。なんで? と首を傾げると父の声がした。
「どうやらオノデラ貿易は、また経営が上手く行ってないらしいよ」
いつのまにやら2階に上がって来たらしい。
「お父さん、お店は大丈夫なの?」
「今落ち着いているし、バイトの子が対応してくれてるから大丈夫」
父、道成はぱっと見、ひょろっとした気のいいおじさんと言った雰囲気だ。
本人はダンディな喫茶店のマスターを気取っているのだが、人の良さがにじみ出た風貌が邪魔してなり切れていない。
この人が社長業を数年努めていたといったらバイトの子も皆驚くだろう。
でも父が社長だった間、会社の為に必死に働いていた事を純玲はちゃんと覚えている。
「元社員の人にたまたま聞いたんだけど、海外の情勢不安で資金繰りが上手く行ってないらしい。僕が社長やってた時より良くないみたいだよ。ヘタしたら破綻しかねない」
秘書室勤務になったこともあるし、自分も気にならなくなっただけかも知れないが。
「まあ、瑠美ちゃん、今は結婚するの難しくなってるかもねぇ」
母は何ともなしに言う。なんで? と首を傾げると父の声がした。
「どうやらオノデラ貿易は、また経営が上手く行ってないらしいよ」
いつのまにやら2階に上がって来たらしい。
「お父さん、お店は大丈夫なの?」
「今落ち着いているし、バイトの子が対応してくれてるから大丈夫」
父、道成はぱっと見、ひょろっとした気のいいおじさんと言った雰囲気だ。
本人はダンディな喫茶店のマスターを気取っているのだが、人の良さがにじみ出た風貌が邪魔してなり切れていない。
この人が社長業を数年努めていたといったらバイトの子も皆驚くだろう。
でも父が社長だった間、会社の為に必死に働いていた事を純玲はちゃんと覚えている。
「元社員の人にたまたま聞いたんだけど、海外の情勢不安で資金繰りが上手く行ってないらしい。僕が社長やってた時より良くないみたいだよ。ヘタしたら破綻しかねない」



