離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 嘘はついていない。
 神崎にも似たようなことを言ったが、彼との生活は今の所何の問題も生じていない。
 彼は自分を妻として大事に扱ってくれている。だから純玲も出来る限り妻として彼を支えようと思っている。

 そう。余計な事は考えない。
 少なくとも契約期間が終わるまではこの関係は維持されるはずだ。このまま無難に過ごしていこう。純玲はそう考えていた。

(結婚式、しないって言ったらお母さんはがっかりするかな。でも改めて泰雅さんと話し合ってみよう。あと、2年後までに、両親を心配させないようにしっかり自立しておかなきゃ)

 まだ結婚生活を初めて間もないというのに、最近はなんだか契約終了後のことばかり考えてしまう。
 そこでふと思い浮かんだことを純玲は慎重に口に出した。

「そういえば、瑠美ちゃんが結婚するって叔母さんから聞いてない?」

「ううん? 特に向こうからは何も聞いてないけれど。瑠美ちゃんから何か聞いたの?」

「……会社にそれっぽい相手がいたから、結婚するのかなーって思ってただけ」

 その相手が純玲の元カレとは絶対に言えない。詳細は話さず誤魔化しておく。