離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 チーズケーキを一口頬張って純玲は頬を緩ませる。

「うふふ、そうでしょ」

 父の淹れるコーヒーは美味しいが、母の作るケーキや焼き菓子も好評で、これを楽しみに訪れる常連客も多い。

 母、雪乃は小柄な体つきで未だに若々しい女性だ。
 社交的で明るい性格をしていて、つい常連客の奥様方と話込んでしまうこともある。父はそれを苦笑しながら温かく見守っている。

 母は4年ほど前交通事故に遭い、大けがをした。あの時は本当に心配で生きた心地がしなかった。
 本人の努力の甲斐もあり足に少々後遺症が残るものの、今は普段の生活に支障がないほどまでに回復している。

「私、お店お手伝いしなくて大丈夫?」

「大丈夫よ、お父さんもバイトの子もいるし。ねぇ、それよりどう? すーちゃん、新婚生活は」

 ニコニコと聞いて来る母に(この前神崎さんに聞かれたのと同じセリフだ)と苦笑しつつ答える。

「もう、帰ってくるたびに聞くんだから……相変わらず順調だよ。泰雅さんは優しいし」