純玲はビルの狭間を通り抜けながら考える。
付き合いが長いというだけあって、ふたりの間には気の置けない空気感があった。
麗に泰雅の昔のことを聞き、悪気はないのはわかっているのに、つい苛立って話を遮るような失礼な言い方をしてしまった。
それは、麗が泰雅のことを純玲よりよく知っていると言われているような気がしたから。
(実際、麗さんの方が泰雅さんのこと知っているのに……私、なんて子供じみたことを)
純玲は自己嫌悪に陥る。大学入学当時からの友人なら、麗の方が付き合いが長い。
そもそも家庭教師として週に1、2度、数時間しか会えなかった自分とは比べるまでもないのに。
この対抗心は“妻”という立場から?――いや、それ以前に。
(私、麗さんが羨ましいんだ)
自分は彼女のように泰雅と対等に向き合うことも、同じ目線で物を見ることもできない。
泰雅は瑠美や肇からの悪意の盾になり、両親を安心させてくれた。
高級マンションでの快適な暮らしまで提供してくれている。
でも自分は何も返せていない。妻という立場を利用してただ守られているだけだ。
付き合いが長いというだけあって、ふたりの間には気の置けない空気感があった。
麗に泰雅の昔のことを聞き、悪気はないのはわかっているのに、つい苛立って話を遮るような失礼な言い方をしてしまった。
それは、麗が泰雅のことを純玲よりよく知っていると言われているような気がしたから。
(実際、麗さんの方が泰雅さんのこと知っているのに……私、なんて子供じみたことを)
純玲は自己嫌悪に陥る。大学入学当時からの友人なら、麗の方が付き合いが長い。
そもそも家庭教師として週に1、2度、数時間しか会えなかった自分とは比べるまでもないのに。
この対抗心は“妻”という立場から?――いや、それ以前に。
(私、麗さんが羨ましいんだ)
自分は彼女のように泰雅と対等に向き合うことも、同じ目線で物を見ることもできない。
泰雅は瑠美や肇からの悪意の盾になり、両親を安心させてくれた。
高級マンションでの快適な暮らしまで提供してくれている。
でも自分は何も返せていない。妻という立場を利用してただ守られているだけだ。



