離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました

 意外そうに泰雅は言う。その言葉が意外だ。
 まだ時刻は17時。彼はこれから仕事だろう。ここにいても仕方がない。

「このまま残っても、お仕事のお邪魔ですから」

「ひとりで帰すのも心配だ。ちょっと待っていてくれ。一緒に帰ろう」

 まったくもって心配される距離でも時刻でもないのだが、決めたとばかりに彼は一度座ったソファーから立ち上がり、帰り支度を始めようとする。

「でも、お仕事は? ……あ」

(もしかして、一緒に帰った方が仲がいい夫婦って見せつけられるから?)
 そういうことかと納得しかけた純玲に泰雅は意外な言葉を落とす。

「ビルの中でさえ、的場にナンパされかけてたし、一緒にいないと心配なんだよ」

「えぇっ?」 

 泰雅が本気ともとれる口調で言うから純玲はどう反応していいか分からず変な声が出てしまう。

「あの、的場さんは冗談でああ言っただけで」

「どうだろうな。今日の君は魅力的すぎるから、引きよされられる気持ちもわかる。他の男性職員もみんな君を見てた」

「……っ」

(そりゃ見るでしょう! “白石先生”の妻なんだから……見てがっかりしてるかもだけど) 
 
 真顔で恥ずかしいことを言われ、いよいよ頬が熱くなる。