「……え?わ、私?何で?」

「知らねーよ。お前だから好きになった。それだけでいいだろ」

私が言葉を失っていると、昴が、こんなはずじゃなかったんだけどな、と言いながらポケットから小さな箱を取り出した。

「改めて、莉子、お前が好きだ。俺と付き合ってほしい」

そう言って、箱を開けた。中には、指輪二つ並んでいた。

「こ、これっ」

慌てて昴のことを見ると、少し笑いながら私の右手の薬指に片方の指輪をつけた。

「今日用事があるって言ったのは、これを買いに行ってたんだよ。でも、何にしたらいいか分からなかったから、サラに選ぶの手伝ってもらったんだよ」