今、私の目に映っているのは、私と同じく目をまんまると見開いているあの男子だった。

と、その途端その人が突然ドサッと手をついて倒れた。

「え、え、大丈夫ですか!?」

「大丈夫じゃねえ!」

私が駆け寄ろうとした瞬間、その男子がそう言った。

「だってお前、入学試験合格ラインギリギリだったじゃねーか!」

なっ……。

「何でそれを……」

「そりゃ、金の夫婦の卵になるためならそれくらい調べとくだろ!ああ、お前がパートナーじゃ絶対に金の夫婦の卵になれやしねー!」

ひどいっ……この人どれくらい頭がいいか知らないけど、本当にひどいっ……!

「何でそんなに金の夫婦の卵にこだわるの?」

「…お前には関係ない」

むっ……。

「さっきからお前お前って、私には松宮莉子っていう名前がちゃんとあるんですけど!私の成績調べたなら名前ぐらい知ってる
はずじゃない!」

「成績を見た時点でお前への興味0」

はあ……。

こんな人とカップルなんて大丈夫なのかな……。