君が好き

ふう……。

「おい、何でいきなり出ていったりなんかしたんだよ」

「それは……」

出ていった理由を話すと、私がこの高校に来た理由も話さなくちゃいけない……。

「俺は、お前を責めたり、傷つけたりするつもりはない。安心しろ」

それを聞いて私は、今までおさえてきたものが溢れ出した。

「わ、私、逃げてきたの。家から」

「逃げて?」

このことを誰かに話すのは初めてだった。誰にもバレなかったからだ。なのに昴は、気づいてくれる。