モブ「ねえ、あれって…。」
モブ「鈴木紗綾様と…あの人は、中等部なのにすでに高校分野を終了している瀬賀夏也様!?」
モブ「美男美女…。」
ざわざわと一気に騒がしくなる。
なんか、見られてるからちょっと手に力が入る。
そうすると、夏也が優しく包み込んでくれる。
…なにこれ、カップルみたい…。
「夏也、そろそろ…手、離そ?もうすぐ玄関つくよ?」
夏也「ふ、離せるならどうぞ?僕は教室までこのまま行きたいですけど。」
「な、なに変なこと言ってるの!?いくらペアで教室が一緒だからって教室まで手を繋がないもん!」
夏也「じゃあはい、どうぞ?離してみてください。」
「…ちょ、なんで余計に力入れるの!」
夏也「僕が離したくないからです。」
「私は離したいの!」
夏也「無理です。」
くっ…夏也め…いくら私がちょっとはいいやって思っても!流石に!教室までは嫌だよ!
陽雅に似てるから、重ねてるから、心臓はいつも鼓動が早くなって、手汗も気になるのに!
…あ、奥の手、思いついちゃった☆
「…じゃあ夏也、これから毎日学校終わって寮に帰ったら夏也の好きにしていいから、朝手をつなぐのは校門まで!それと学校ではくっつかない!これでいいでしょ?離して!」
名案でしょ!交換条件(?)みたいにすれば私の要望が完璧に通る!
夏也「…へー、これから毎日好きにしていいって言ったな?」
口調変わったし…。ん?もしかして地雷踏んだ?嫌な予感がする…。
「へ、?夏也…?」
夏也「はい。このカメラに向かって今と同じことを言えよ。そしたら要求飲んでやる。」
「…?」
なんでカメラ?動画とってる?
「これから毎日寮に帰ったら夏也の好きにしていいから、朝手をつなぐのは校門までで、学校ではくっつかないで。」
夏也「…よし。録音完了。ほら、離してやる。約束は守ってやるよ。紗綾も約束守れよ?」
「当たり前だし。私が約束守らないとでも思ってるの?夏也最低。」
夏也「ふっ。しっかりと覚えとけよ?じゃあ俺先行くわ。」
パッと手を離されて先に歩いていった夏也。
…???
一体どういう意味?
なんで録音したんだろ。
この意味は、後々嫌でも分からされることに、私はまだ気づかない______