ガシッと掴まれた腕を見ると、指先まで綺麗。
つやつやした黒ネイル。でも不潔感は感じられない。
夏也「着きました。ほら、こっちです。個室の方にしましょう。」
「はーい。」
…これじゃどっちが先輩かわかんないよ。トホホ。
まあ、そりゃこんななんも考えてなさそうなやつが賢いなんて考えられないよね。
図書室おっきいな。それに個室もあるんだ。すっご。しかもここに書いてある図書館の張り紙を読む限り個室は防音なんだって。
ガチャリと開けられた個室の扉。そこは、真ん中に机が置いてあって、椅子が机を挟んで向かい合わせに2つ置かれている。
机は縦には小さいけど横には大きい。テキストを横に広げられるようにかな??
夏也「ここは防音なので騒いでも聞こえないようですよ。言い合いにはもってこいじゃないですか?」
「むっ。子供扱いしないでください。私、貴方より歳上なんです!!」
夏也「夏也って呼んでください。自分の苗字はあまり好きではないので。」
「えー?なんで?すっごいかっこいいじゃん!瀬賀、って!私は鈴木だからね??」
夏也「じゃあ鈴木さんって呼びましょうか?」
「…う。なんか違和感あるからやだ…。紗綾って呼んで。」
夏也「僕も瀬賀だと違和感を感じるんです。じゃあ紗綾、よろしくおねがいします。」
「うん!よろしくね、夏也!!」
夏也「…っ///」
「どうしたの?固まって?ほら、座ろ!!勉強するんでしょ?」
夏也「…はい。」