春、桜はもう散り始め、コンクリートの道路には隙間なく花びらが落ちている。
「今年は桜散るの早いな」
ぽつりと呟いた。


「新入生入場」
と抑揚のない声に促されるまま私、三輪さと(16)は、顔も知らないクラスメイトとシートの上を歩いていく。
周りを見わたすと、新しい高校生活に希望を抱いているのか目を少し輝かせている同級生が目に入った。
高校生活、、、そんなにいいものだろうか。
勉強、部活、課題、などとすることは中学と何ら変わりないし、私は学校という場所はルールに縛られているようであまり好きでは無い。
とにかく、卒業出来ればそれでいい。それが私の高校での目標だ。
ぱっとしない。
そう言われてもしょうがないだろう。昔からずっとこうだ。友達はいたがらこちらから遊びに誘ったりはせずに、もし誘われれば苦でもないから遊ぶ。そんな仲だった気がする。さばさばしているというのか。冷たいというのか。