僕、白嶋奏翔は教室に入ったとたんに女子に囲まれてしまった。なんでだよ…すると、ガラッと、扉が開く音がした。
そして女子二人が入って来た。その瞬間、僕はもう一人の女子に話しかけている方の女子に一目惚れをした。いわゆる初恋だ。
その二人は僕のほうを見てびっくりした顔をした。まぁそうなるよな。
ていうか、幼馴染である雨野朱莉は僕のほうを見てニヤニヤ笑っていた。心底助けろよと思う。しないだろうけど...
そんなことを考えていたら、さっき入ってきた二人が席に座っていた。早速朱莉と仲良くなったようだ。
そしてまた扉が開く音がした。今度は先生が入ってきた。やっと女子が僕から離れて席に着いていった。
「こんにちは。担任になった山田珠莉亜です。皆さん仲良くしてくださいね。」
山田先生はもともと兄の担任だったのと、僕が生徒会に入っているから知っている。
「このクラスには生徒会役員が二人もいるので、もしわからないことがあったら二人に聞いてください。」
「じゃあ、二人共前に出てきて自己紹介してください。」しょっぱなに自己紹介か...朱莉と一緒に席を立つ。
みんなに注目されているのを肌で感じる。「生徒会書記の雨野朱莉です。よろしくお願いします。」
朱莉が先に自己紹介をし、男子が頬を赤く染めていた。朱莉は子供の頃から男子に人気だったからあまりびっくりするようなことではない。「同じく、生徒会書記の白嶋奏翔です。よろしくね。」僕も笑顔で自己紹介をする。