「エルツェ卿っ?!」
「オスヴァルト」
「え?」
「オスヴァルトと呼んでほしい」
「……オ……オスヴァルト様」

 フィーネが照れながら名前を呼ぶと、そっとフィーネの手の甲に唇をつけて愛を誓う。

「今日から私の妻だ。稀血の聖女、フィーネ」
「まれち……?」

 聞きなれない言葉と、そして甘いその声と自身を見つめるサファイアブルーの瞳に見つめられて、フィーネは不思議な感覚に陥った──