「では、こういうのはどうでしょう? 私とあなたはおともだちなので『リン』と呼ばせてもらうのは」
「おともだち……」
「はいっ! 主従ではなくおともだちとして接してくださいませんか?」

 その言葉に少し困ったように目をきょろきょろさせて息を飲むと、リンは問いかける。

「フィーネ様はそれをご希望ですか?」
「ええ、もちろん今すぐでなくていいんです! でも、なんだかそんな特別扱いは慣れてなくて……」

 フィーネは居所が悪いようにそわそわする。
 それを見たリンはまた深くお辞儀をして伝えた。

「フィーネ様が素敵な方だと身をもって分かりました。誠心誠意尽くさせていただきます」
「え?! そんな、普通です!!」

 オズの知らないところでまたしてもお辞儀合戦が繰り広げられた──