部屋には二人が残され、先に口を開いたのはオズだった──

「また会えて嬉しいよ、フィーネ」
「はい」
「これからよろしくね」
「よろしくおねがいします」

 フィーネは行儀作法の家庭教師に習った教科書通りの挨拶をする。
 ドレスの裾を持ってちょこんと挨拶をする様子はなんとも可愛らしい……がどこかぎこちなさが残る。
 フィーネが座ったのを見ると、紅茶を一口飲んでオズは話し始める。