部屋に入ると、そこにはすでに伯爵と伯爵夫人、そしてお客様の公爵と少年がいた。

(なんてやわらかそうなミルクティーみたいなかみ……)

 フィーネの少年への第一印象はそれだった。
 そんな視線を感じか、少年は席を立ってフィーネのもとに挨拶にくる。

「君がフィーネかい?」
「はい……」
「僕のことはオズと呼んでほしい。よかったら仲良くしてくほしいな」

 その優しい微笑みは純粋無垢なようで、でもどこか不思議な雰囲気を漂わせた少年だと思った。

(なんだか、ふわふわしてるけどちょっとだけこわい?)


 そして少女と少年のこの出会いから数日後、二人は親の意思によって婚約することになる──