エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません


避妊をやめてから、二度生理がきた。

すぐに妊娠できると思っていたわけではないけれど、なんだかがっかりしてしまって自分でも驚いた。

もしもこの先瑠衣に子供ができなければ、英利はどう考えるだろう。

まさか大和と別れて別の男性と子供を作れと言われることはないだろうが、瑠衣と大和の間に子供ができなければ、この結婚に意味はなくなる。

そうなれば、事務所を継ぐのは彼じゃなくてもいいのではないか。

事務所に優秀な弁護士は他にもたくさんいる。当初、断っても構わないと父は大和に話していたはずだ。

(私との結婚で事務所の後継者をつくるという足枷がなくなれば、大和さんはアメリカで活躍する未来を選択肢に加えられる)

父の事務所と自らの存在を〝足枷〟と考え、ずんと気分が落ち込む。

決して大和がそう考えているわけではない。

彼は瑠衣をこの上なく大事にしてくれているし、父が大和を頼りにしているのも事実。瑠衣だって大和を失いたくない。

けれど大和を想うからこそ、優秀な彼の行く先を狭めてはいけないのではないか。

結婚当初は考えが及ばなかったけれど、彼を好きになった今、事務所を継ぐというのは大和の未来の可能性を潰しているのではという懸念に苛まれる。